透き通る様な美しい肌になるために「潤い」は絶対に欠かせません。そして肌が潤うためには保湿は絶対に欠かせません。
美容に関心のある女性なら保湿っていう言葉に敏感になっているかもしれません。
保湿が上手に出来ている人の肌は、十分に潤って見た目にも透明感があるものです。あなたも潤いのある肌を目指すなら、保湿について知っておいた方がいいと思います。
ところが近頃「脱保湿」を推奨している雑誌やサイトを目にする事があります。
という事で、この記事では保湿のしくみや必要性についての解説と、脱保湿に関してわたしなりの意見を書いていきたいと思います。
保湿ってなに?
保湿っていう言葉は雑誌などで良く目にするのではないでしょうか。
でも、そもそもいったい何を保湿するのかご存知てしょうか?保湿は肌の内側のわずか0.02㎜の厚さの角質層という組織を潤すためにやっているのです。
角質層の内部には角質細胞がレンガの様に積み重なっていて、外部からアレルゲンやウイルスなどの異物が皮膚の内部に入り込むのを防ぐ役割を担っています。
角質層はもう一つ大きな役割を果たしていて、この機能がないとわたしたちは生きていくこともできないでしょう。その働きとは次の2つです。
- 肌の内部の水分を逃がさない
- 外部からの水分をシャットアウトする
外部からの水分をシャットアウトするというのは、例えばお風呂やプールに入った時などに水が肌の内部にしみ込んでしまうと、大変な事になります。でも体内にしみ込んでこないのは肌のバリア機能のおかげなのです。
この時どうして水の侵入を防げるのかというと、角質層内部で10層以上に重なり合った角質細胞が密着する事でバリア機能を果たしているからです。
この様な肌のバリア機能を維持するためにも「保湿」は必要になります。
脱保湿は保湿をやめること
脱保湿とは読んだそのままの意味で「保湿をやめてみよう」っていう考えです。
脱保湿は主にアトピー肌の人がアトピーの改善のためにやる事が多いようです。
ところが脱保湿はアトピーに効果的という意見がある一方で、脱保湿はリスクが高くて絶対にやめたほうがいいという意見もあって、皮膚科医や専門家によって考えが分かれているようです。
脱保湿の目的は保湿をやめて肌質改善を目指す方法ですが、確かにリスクは高いと思います。
アトピーの人は肌のバリア機能が低下する事で、乾燥肌が加速してアレルゲンが皮膚の中に容易に侵入出来るようになってアレルギー反応によってアトピー肌が悪化します。
そこに追い打ちをかけるような脱保湿はリバウンドを伴う恐れがあって、まして脱保湿を推奨する医師の治療のもとならともかく、自己判断で個人的にやるのはおすすめできません。
保湿をやらないとどうなるの?
保湿の目的は、角質層に水分を与える事で本来肌が持つ保湿機能を取り戻したり、改善する事で、その効果として肌荒れの改善などが期待できるのです。
保湿機能は人それぞれ違います。これは生まれ持った保湿力の違いですが、足りない部分を毎日の保湿で補足してあげる事で、健康な肌を維持する手助けをしているのです。
もし保湿をやめてしまうと、保湿力が低下してしまいバリア機能は低下してニキビなどの吹き出物が出やすくなったり外部刺激に対して肌が敏感になってしまいます。
これは一時的な症状で、結果的に肌の保湿機能が改善される場合もありますが、肌の状態が悪化してしまう場合も多いようです。
特にアトピー肌の人は注意が必要です。保湿を断つだけでアトピーが治ったという人もいるでしょうが、それは個人の体質やアレルゲンに対するアレルギー反応を数値化したIgEやTARCといった数値などによるので、誰にでも効果があるものではありません。
この脱保湿と同じ方向性ですが、本来の健康な肌を取り戻そうという考えに「肌断食」という方法があります。これに関してはこの後で触れたいと思います。
肌の水分が守られるのはどうして?
肌のバリア機能を担う角質細胞はケラチンと呼ばれるタンパク質でできています。
ケラチンは18種類のアミノ酸が結合した構造で、硬くて強度が強いという特徴があります。
ケラチンは硬いものですが、肌に触れた時に柔らかく感じるのは角質層内に水分が含まれているからです。つまり肌が十分な水分に満たされていたら、なめらかで柔らかい肌になる事ができるという事です。
保湿をする事で、肌の水分を守るバリア機能の強化や維持につながるので結果として肌の内部の水分も守られているのです。
肌を潤す3つの保湿因子
皮膚の水分量は次の3つの物質によって維持されています。
- 皮脂
- 天然保湿因子
- 角質細胞間脂質
これらは角質層内の水分として、皮脂は2~3%、天然保湿因子が17~18%を、そして残りの約80%をセラミドなどの角質細胞間脂質で一定に保たれています。
でも!
そう、皮膚の内部の水分が不足してターンオーバーが乱れて、バリア機能が低下してしまいます。
-
【ターンオーバー正常化の方法】乱れの原因を改善・促進して健康な肌へ
美肌を目指すうえでターンオーバーは切っても切れないとても関係の深いものです。 健やかな美肌について話す時だけではなくてガサガサに荒れたお肌について話す時、スキンケアやエイジングケアなどについて話す時に ...
続きを見る
それでは次に、それぞれの保湿因子の働きについて見てみましょう!
潤いのある肌に皮脂は必要
皮脂は保湿において大きな役割りがあります。そのひとつが角質層の水分の蒸発を防ぐ事、つまりバリア機能を果たしています。
バリア機能の高い低いを見分ける目安となるものに、経皮水分蒸散量(TEWL)という数値があります。このTEWLの数値と皮脂の量には深い関係があります。
皮脂の量が少なくなるとバリア機能が低下して、肌は乾燥してカサつきます。反対に皮脂の量が多くなると肌が酸化して肌がベタつきます。
蓄えた水分を維持する天然保湿因子
天然保湿因子はNMFと呼ばれていて、表皮を構成している角化細胞(ケラチノサイト)が角質化する過程でアミノ酸などを原料として作られます。
天然保湿因子は水分と接合するという性質を持っていてアミノ酸や塩基類、尿素、乳酸などの成分で構成されています。
また、水分を吸着する作用が強いことから、水分を角質層内に留めて肌を潤すという極めて重要な働きがあります。
保湿の主役?角質間脂質の役割とは?
角質細胞間脂質は天然保湿因子と同様に、ケラチノサイトが角質化する時に作られる脂質で、セラミドや遊離脂肪酸、コレステロール、コレステロールエステルなどの脂質成分で作られています。
ブロックやレンガを積み重ねられている角質細胞同士を結びつけることで、肌の内部の水分の蒸発を防いだり、外部刺激から皮膚を守る働きがあります。
また、角質細胞間脂質は水分の層と脂質の層が交互に重なる構造をしていて、水分を挟み込んでいます。
このラメラ構造は肌の水分を守るために大きな役割を果たしていて、崩れてしまうと肌が乾燥する原因になるので、乾燥肌や敏感肌の解消にはラメラ構造を整えて保湿する事が有効となります。
この様に天然保湿因子が角質細胞内で水分と結合して角質細胞間脂質が水分を包み込んで、さらに皮脂膜が肌の表面を覆うフタとなって、水分の蒸発を防いでいるのです。
肌が乾燥する原因
肌が乾燥する過程では、先ほど解説した3つの保湿因子が関係しています。
例えば熱いお風呂に長く浸かったり、洗浄力の強い洗顔料やボディソープで洗うと皮脂と角質細胞間脂質が、強い脱脂力によって洗い流されてしまいます。
その他にも肌は外気の環境によって大きく作用されることがあります。
湿度が50%以下になると角質層の水分が非常に蒸発しやすい状態になります。その状態を放置して肌のつっぱり感が出てきたら、肌の水分量は10%以下まで失われている事もあります。
この様に保湿因子が急激に失われると皮脂欠乏症に悩まされる原因になるので、特に冬場の暖房には注意が必要です。
-
『天使のララ』を愛用している芸能人やモデルの感想をまとめたよ♪
天使のララはCMや新聞の折り込みチラシの他、多くの女性誌や美容雑誌などでも紹介されてきて有名になりましたが、それ以外に天使のララが有名になった理由があります。 それは、ある美肌芸能人が天使のララを使っ ...
続きを見る
保湿は必要なの?
ここまで保湿のしくみについて解説してきましたが、これまで何気なくしていた化粧水などの保湿がすご~く意味のある事だって感じてもらえたのではないでしょうか。
当たり前ですが人間の身体は水分が欠かせません。でも保湿のやりすぎは肌の機能を低下させることもあります。
また、化粧水などのスキンケアをあえてやめてみる肌断食という方法もあります。
-
肌断食で毛穴の黒ずみや開きは解消される?正しい方法と効果とは
「肌断食」ってご存知ですか? 「聞いた事あるけどよく知らな~い」っていう人は少なくないのでは? 毛穴の黒ずみは通称いちご鼻と呼ばれています。 角栓が毛穴につまって酸化することで黒くなった様が、イチゴの ...
続きを見る
肌断食は本来身体が持っている保湿機能の改善のために行うので、結論としても保湿はやったほうが良いでしょう。
正しい方法でやる適度な保湿は肌にとってとても有効なものと言えます。
効果的な保湿方法
保湿の方法はなんでもいいというわけではありません。
あなたはこんな保湿していませんか?
- 保湿のためにと、とにかく化粧水をたくさん使っている
- 顔をぱちぱち叩きながら化粧水をつけている
- 乾燥肌なのに保湿は化粧水だけで済ませている
化粧水はたくさん使うほど保湿ができると勘違いをしていませんか?残念ながらたくさん使っても保湿効果を高めることはありません。
肌が吸収できる水分量には限界があるので、吸収しきれなかった化粧水は無駄になります。
また過剰な保湿は、逆に肌を乾燥させる原因になります。その原因と正しい保湿方法が知りたい人はこちらの記事が参考になると思います。
-
保湿のしすぎが肌を乾燥させる!?適度な水分がニキビや毛穴に効果的
多くの女性が美しい肌に憧れて、そのために毎日の保湿を入念にして健康な肌に近づける努力をされているのではないでしょうか。 よく「スキンケアの基本は保湿」と言われていますが、正しい保湿の方法を知らないまま ...
続きを見る
化粧水を使う時に、血行をよくするために顔をぱちぱち叩きながら馴染ませていませんか?
パッティングは肌に刺激を与えるだけで、浸透力が上がる事はありませんし、肌にダメージを与えると肌のたるみなどにつながるとも言われています。
乾燥肌の人は化粧水だけでは保湿が不十分な場合もあります。そんな時には化粧水の後に美容液を使ってみると肌を潤す効果が高くなります。
化粧水が肌に浸透していない場合もあります
毎日化粧水などで丁寧に保湿しているつもりでも、肌の内側に浸透していない場合があります。
特に40代になるとターンオーバーの遅れが原因で、古い角質がはがれ落ちずに肌の表面に重なり合う角質肥厚という状態になりやすくなります。
そうなるといくら丁寧に化粧水や美容液で保湿しても、ほとんど浸透する事は無くて肌が潤う事はありません。
しかもこの状態を放置していたら、いつまでたっても改善されることがないどころか、症状が悪化することも。
化粧水の前にブースターと呼ばれる導入美容液を使う事で、次に使う化粧水の浸透力を飛躍的に上げることが出来ます。
わたしが実際に使って感じた効果はこちらの記事を見てみて下さい。
-
導入美容液は40代から必要になる!?早めの対策がおすすめの理由
年齢を重ねるといつの間にか肌の悩みが増えてきますよね。 若い頃は「自分には関係ない」って思っていた肌の乾燥やくすみ、シミ、シワ、そして化粧崩れが今は大きな肌の悩みになっていませんか? 芸能人の様なきれ ...
続きを見る
まとめ
肌の水分を守っているのが3つの保湿因子です。
- 皮脂
- 天然保湿因子(NMF)
- 角質間脂質
これらをバランスよく肌の内部に蓄える手助けをするのが毎日の保湿です。
保湿は一度に大量の化粧水を使うものではなくて、毎日一定量を続ける事で効果を感じる事ができます。
一言で保湿といっても実は肌の内側の角質層を十分に潤すのは簡単ではありません。保湿力を高める為には化粧水が浸透しやすい肌にしていく事も大切です。